国土交通省は10日、北海道・知床沖の観光船の事故を受け、全国の旅客船事業者を対象に実施している緊急安全点検に関して、小型旅客船の安全対策の指導を強化すると発表した。厳しい海象条件下を航行する事業者を皮切りに、全国の小型旅客船事業者に対し、運航労務監理官が安全管理規程に定められた運航基準の順守について指導する。
主な指導事項は、(1)船長、運航管理者による気象・海象情報の確実な把握と適正な判断(2)悪天候の場合の運航管理者による船長への運航中止の確実な指示と記録(3)船舶の出港から帰港までの間の運航管理者または運航管理補助者の常駐(4)船長から事業所への定点連絡の確実な実施と記録。
また、航路の一部が通信エリアにカバーされていない携帯電話を通信設備として使用している旅客船事業者に対して、常時通信可能な通信設備に速やかに変更するよう求める。
国交省は、当面の安全確保を緊急安全対策として進める一方で、11日に初会合を開く知床遊覧船事故対策検討委員会で総合的な安全対策を検討する。委員会では夏までに中間報告を取りまとめる予定。
知床遊覧船事故対策検討委員会の委員は次の通り(敬称略)。
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